日本人にとっての難問

自己紹介のときに私たちはよく、自分の趣味が何であるかを語りたがるが、よくよく考えると、私たちには趣味というものがいまいちよく分らないもので、好きなもの・好きなことはあっても、それを趣味とは言い切れず、人に自分の趣味について語ることはあまりないのではないでしょうか。
だから、自己紹介のときに、趣味は何ですか誰かに質問されることがあったら、おそらくその質問をした人物に、趣味とはいったいどういうもののことを指していうのか教えて欲しいといいたくなることがあっても不思議ではないと思います。
こんなことで思い悩むなんて何て陰気なんだろうと思うが、存外こうして、ささいなことで思い悩み言葉の定義を事細かに考えていくこと自体が趣味なのかもしれないのです。
随分と嫌な趣味を持ったものだと我ながらにして思う。
こんな趣味を自己紹介などで他人にましてや、初対面の者に、さらけ出す勇気はないです。
他人に趣味と公開できるものというと一般的かもしれないが読書です。
趣味が読書だというと、まじめで、利口そうなイメージをもたれることが多く、その趣味について質問されることと言えば、愛読書は何かといった類で、愛読書なんてなくても適当に最近に読んだ本の名前でも挙げておけばよいから随分と楽です。
たまに、趣味は勉強ですなんて、クソ真面目に答えているものを目にするがこういった者について、他のものはどんな感情を抱くのだろうか?嫌悪感を抱くものが多いように思われます。
本当にそうであるかどうかは別にして、他人に好印象をもたれるような趣味を人には言ったほうが得策なのではないでしょう?趣味までもが、世渡り道具の一つになってしまうのだから、人間社会の面倒臭さにはあきれます。
趣味は何ですかという問いは、やはり、他人にどう受けとられうるかということを考えにいれるのならば、人間社会において温和な関係を築きたがるわれわれ日本人にとって、最も難しい問題だといえます。